第44回 D-Wind Rally  『つながらなかった国道 part3−メモリアル六合−
コース案内

スタート
  〜2CP
 スタートは、DWR43のゴールの八ッ場ダム広報センター「やんば館」の近く、JR吾妻線・川原湯温泉駅の道向かいにある、「八ッ場ダム総合相談センター」駐車場。 以前はここにもお店があったのだが、ダムに沈む前に早々に店じまいしてしまっている。

 スタートからは、国道145号をひたすら西に走る。コマ図3図まで9kmあるので、3図の行き過ぎに注意。
3図を右折してすぐにODを置いた。 この先林道大津・吹久保線に入る。 途中浅間の眺めが良い場所がある。そこを過ぎると旧・六合村に入る。
 
 国道292号に合流する手前に1CPを置いた。 国道292号を少し走った後林道中沢線に入る。 この道は、PDQM『第218回  2003.06月号 月夜野〜六合』の際、オプショナルコースとして使った道である(その時は逆走)。
途中、茅葺の家が残っている村落を通るが、この辺り7年前より道が改良されているように思う。 再び国道292号に合流する手前に2CPを置いた。
2CP〜4CP  5図で国道292号に入り、すぐに右に下る。下った先にショートチェックの3CPを置いた。ここは第218回PDQMオプショナルコースでもチェックを置いた場所である。

 現在の吾妻線・長野原草津口駅から分岐していた、 日本鋼管群馬鉄山専用線(長野原〜太子間)の終着駅跡である。 正確に言うと、元々は日本鋼管群馬鉄山の鉄鉱石の輸送のために渋川から長野原の間に長野原線が敷かれ、長野原から太子までは日本鋼管の専用線が敷かれた。その後国鉄に移され、1954年からは旅客営業も行ったが、1963年群馬鉄山の閉山後、1966年に貨物営業廃止、1970年に長野原から現在の大前までの延伸工事に伴い、旅客営業も休止され、それに伴い長野原線から吾妻線に改名された。 元はこっちが長野原線の本家であった。

 線路の末端にあった車止めや鉄鉱石を貨車に積み込んでいたホッパーが残っており、トイレも当時のままらしい。

 と言う事は、3CPから先の道は、この廃線跡である。 川を渡る橋などにその面影を残す他、2連のトンネルが残っている。 それ程距離は無いが、廃線跡を楽しんで下さい。


 6図で三度国道292号に出た後、急な上りで旧道に入る。しばらく走った所に歴史を感じさせる石碑と小さな松が立っている。 この道が昔からの古道(当時の雰囲気は全く無いが)である事が判り、この道を下った先にある赤岩の村が、『重要伝統的建造物群保存地区』に指定されている事からもこの辺りの歴史の長さを感じる。 残念ながらコースは、赤岩の村の入口でこの道から逸れてしまうが、時間が許せば少し村の中を走るのも良いだろう。

 7図から林道寺社木線に入る。 前半は古い林道であるが、後半は開通が比較的新しく路面もよく明るい林道である。 暮坂峠に流れの端を発する駒ヶ沢に架かる橋に4CPを置いた。
4CP〜6CP  4CPの先、白砂川を渡る橋(この橋も第218回PDQMオプショナルコースで紹介した)が旧吾嬬橋で、橋の袂にある説明板に書かれた通り、国道17号の前橋と渋川の間の利根川に架かっている坂東橋(DWR42でゴール地点にした)の架け替えられた先代の橋である。 坂東橋の上流側には、この橋が架かっていた時の橋台、欄干などが残っている(DWR42では紹介できなかったですが・・・)。 この橋の寿命の長さに敬意を表し、クイズにした。

 吾嬬橋でも結構高い位置で川を渡っているが、まだ水面を見ることが出来る。 上流側には新吾嬬橋が遥か上空を渡って行く。DWR43でみた湖面2号橋に比べればまだ可愛いレベルかも知れないが、架橋技術の進歩は本当に凄いものがある。 でも私は旧吾嬬橋の様に川面の様子を見ながら渡る橋が好きだ。

 8図先から林道小雨線に入る。 DWR31で走った林道で、2002年の第20回日本アルペンラリーのSS−13、16『Kosame』に使われた林道である。 久しぶりに走ったが、路面の傷みも無く走りやすい道である。 出口付近はオートキャンプ場があり、また民家もかなり増えているので、十分注意して欲しい。 ここでは浅間と白根を望む事が出来る。 林道の終わり近くに5CPを置いた。

 9図先から草津温泉の中を通る。しばらく流れが悪いがご辛抱を。 プランでは裏道で渋滞を避けて、県道55号に抜ける予定だったが、残念ながら予定していた道が工事中で通行止め。 天狗山スキー場前を通る事とした。

 11図から県道55号に入る。道幅の広い良い道であるが、車の通行量は非常に少なく、対向車ともあわない。 何故なら草津から六合に入る手前から道幅が一気に狭くなり、林道然としてくるからである。
道幅が狭くなる手前に6CPを置いた。6CPの右手の道が当初予定していた道である。
6CP〜8CP  林道らしい県道55号をしばらく走り、12図から最初の寄り道スポットに向かう。 残念ながら途中から一般車は通行止めで、新道に下る事とする。 

 最初の寄り道スポットは、3CPを置いた長野原線の終着駅跡で積み込んでいた鉄鉱石を採掘していた日本鋼管群馬鉄山跡である。 もう閉山から約半世紀過ぎており、その跡地は緑化され、『奥草津鋼管休暇村』になっている。 ここに7CPを置いた。
日本鋼管群馬鉄山の鉱床の最上流にあるヌルユ沢は「穴地獄」と呼ばれ、硫酸酸性泉が湧出している。この酸性泉にのみ成育する珍しいコケ=チャツボミコケが緑の絨毯の様に広がっている。


この穴地獄に行くには、『休暇村』の受付で210円の入場料(?利用料?)を支払う必要があります。予めご了承下さい。 入場料を払ったらゲートを(自分で)開けて、ダートを900mほど上がって行く。途中道が分岐して行くが、これが12図先で通行止めになっていた道である。 プランでは車でここまで来るつもりだったのだが、やはり環境保全のためには仕方無いですよね・・・。


 7CPから再び県道55号を走り、2ヶ所目の寄り道スポットに向かう。 某全寮制の私立学校で、ある時某有名人の息子さんがここに在籍していたと知って、一度どんな所か見てみたかった(ホントに興味本位です・・・(^_^;;) 誰かはクイズにしているので、詳しくは省略します。 学校前に8CPを置いた。
クイズのページにも書きましたが、学校の周辺でクイズの答えを聞くなどの行為は決してしないで下さい。
8CP
  〜10CP
 県道55号に戻り、川の中の露天風呂で有名な『尻焼温泉』に向かう。 途中『離合不可』の標識が出てくるが、数年前に通った時より道が良くなり、気持ち広くなっているような気がする。対向車に遭わなかったせいかな・・・? 試走時は、水着を着ている人もいたが、多くの人が「入浴」を楽しまれていた。 これだけ開けっぴろげだと、恥ずかしさを超えて気持ち良いのだろう・・・? 私はチョット勇気が無いです(笑)
尻焼温泉に9CPを置いた。

 国道405号を少し下り、右にそれて林道・京塚線で品木ダムに向かう。この道も走りやすい道である。 品木ダムに降りる手前に『百八十八観音』がある。 観音が行儀良く整列し、綺麗に整備されすぎていて何か変だなと思ったのだが・・・。 調べてみるとやはり以前は今の地の周辺に点在していたものを一箇所に集めた様である(写真にカーソルを乗せると以前の状態になります)。 何か観音さんが可哀想な気がする・・・。

 品木ダムの堤の上に10CPを置いた。CPのすぐ側にある説明パネルにも書かれているが、品木ダムは、普通の水をためるダムではない。 7CPの穴地獄がそうであるように、また草津温泉がそうであるように、この辺りでは、強酸性水が温川や大沢川に流れ込んでいる。そのままでは、魚は住めないし、コンクリート製の建造物も溶かしてしまう。その為に中和工場から大量の中和剤(石灰石)が投入され、徐々に中和されながらこのダムに流れ込んでくる。 このダムで中和される事で出来る生成物をためるのである。 勿論生成物が堆積するから定期的に浚渫を行い、その堆積物を周辺の山中に投棄している。 所が、この堆積物やダムの放流口から高濃度のヒ素が検出されている。 また堆積物の投棄場所ももう満杯になりつつある。

 品木ダムが何故作られたか? 中和剤を大量に投下しなくとも、自然の浄化作用で利根川下流では昔から魚も住んでいたのに・・・? 
そう上の赤字部分がその答えである。 このHPでは、その説明文では『例えば橋・・・』と書かれているが、ページの上にあるバナーでは、このページのタイトルは、『吾妻川・八ツ場ダム・利根川』となっている。 DWR43のゴール地点の『やんば館』の八ツ場ダムの歴史を説明したパネルにも、「吾妻川に流れ込む強酸性水によりダムを作ってもその役目をなさないため、一度八ツ場ダムの計画が一度中止された」とあった。 その後品木ダムが建設され、再び八ツ場ダム建設の計画が復活したのである。 何から何まで八ツ場ダムありきの話である。 皆さんは、何かおかしいと思われませんか? 100年に1度の大洪水のためとか、従来の利根川の水利権を余り持たない埼玉県が固守しているとか、色々な理由が聞こえて来るが、全てがダムを作る事が目的になってしまっている様な気がする。ダムを作るのは何かの目的達成のための手段の筈なのに・・・。

 愚痴ってもきりが無いので(笑)、先に進もう。
10CP
  〜FCP
 10CPから国道292号に出て、ゴールの野反湖に背を向け下る。 第218回PDQMのゴール地点であった道の駅六合の先から、暮坂峠への道に入る。 途中24図から村道暮坂引沼線に入る。 林道ぽい雰囲気がある良い道である(道路改良前は一部林道だったようである)。 24図から26図までほとんど下りで、快走ドライブが楽しめる。 林道ではなく村道であるので、一般車両の通行も多い方なので注意。

 国道405号に出て、いよいよゴールの野反湖に向かう。 行き止まりの国道の宿命=道幅が狭い!(笑)
トラックなどの大型車両(路線バスが野反湖畔まで走っているが)が通れる必要が無いから仕方ない。 でも走るには楽しい!

 あっ、その前に最後の寄り道スポットに寄り道・・・。 28図から村道万沢線に入る。 
群馬で有名な超ロングダート林道に万沢線と秋鹿大影線がある。万沢線は約21km、秋鹿大影線は約13kmで、六合から四万温泉を経由して、みなかみのたくみの里の近くにある日帰り温泉施設遊神館まで行ける。
万沢線は一度走った事があるが、普通車で走れない事は無いが所々ガレていた。 
 ずっと「林道」だと思っていたが、今回の試走で28図にある看板で「村道」である事を初めて知った。 そのせいか、28図と29図の間が、今回の試走で一番多くの対向車とすれ違った(笑) それも結構高齢の方々で、更に結構なスピードでコーナに突っ込んでくる! 若かりし頃は「群スペ」さんだったのかな・・・?(笑)
万沢線の名物が、約1kmの直線ダート! ここは路面も良く、気持ちよく走れる。是非、かっ飛んで下さい(笑) 
 
 直線ダートの終わり近くにある『野反湖パークランド』の入口に11CPを置いた。 ここは別荘地だと思うのだが、ネットで検索しても詳細が判らない。 試走時も門が閉まっていて入れないし、門の周辺にも何の説明も無い・・・。 チョット怪しげなところ?(笑)

 往復で直線ダートを楽しんだら、さていよいよ野反湖へ。 ここは、第126回PDQM(1995年11月号 群馬・紅葉のロマン街道110Km)でゴールになっている。 実は私も野反湖に来たのはこの時以来、15年ぶり。

 野反湖が見え始める野反峠に来ると、何と道路脇に結構雪が残っている。 更に野反湖はかなりの部分が氷結している!

 車載の外気温計を見ると、先まで18度くらいあったのに、夕方とはいえ一気に8度に!

 更に野反湖湖畔まで進むと野反湖ダムの手前で積雪で通行止め。 第126回PDQMのゴール地点までは進めなかった。

 さて、ここで問題です。 野反湖の水は何処へ流れているでしょう?

 野反湖は群馬県にありますので、太平洋に流れ込んでいると思っていたのですが、何と長野の秘境と言われている秋山郷を通って、日本海に流れ込んでいるのですよね。 
 つながらなかった国道の向こう側=秋山郷にも一度行ってみたいと思っています。
あっ、そう言えば、このつながらなかった国道405号は、第6回shixpoDR『越後3ケタ国道 再び ドライブ 』でタップリ走った道だった・・・。